革は扱いが難しい!?

帆布(夙川育ちでは倉敷帆布を使っています)と革のコラボでのリュックを制作しています。
主なスタイルは、本体が帆布で、フタと肩ベルトが革というスタイル。
帆布と革は、どちらも素材がしっかりしているというイメージですね。
でもしっかりしているというイメージの反面、扱いにくいというイメージもありますよね。

このリュックのフタ部分を作っていたときに、表面に水がついてしまって、まだ防水処理していなかったのでシミになってしまいました。

左の写真の右部分を拡大したもの

1cmほどの丸い水シミが2つ。
この革は、ヌメ革というものの中でも、染色していないナチュラル感が好評の革です。
革を製品使用する際には、端っこ(コバといいます)と裏面を処理して毛羽立ちを押さえるのですが、コバ面には水を付けて磨くとツルツルになってきれいに仕上がります。その作業中に水が飛んでしまったのです。(このフタは使えなくなりました💧)

このヌメ革というものは、経年劣化して使いなじんだ色や質感になるのが魅力なのですが、変化する一方、汚れやシミが目立つのです。

一方、ヌメ革でなはなく、水や汚れに強く、経年劣化しない革もあります。
一般に売られている革製品の9割はそれです。皮を革にするための鞣し方が違い、染料もコーティングのような顔料を使ったものです。これは扱いやすい製品になるので、雨の日でも安心です。でも革らしい味は出てきません。

さて、バッグに使うにはどちらの革がいいのでしょうか?
いつも悩むところです。
有名ブランドのバッグは、ほぼほぼ経年劣化しないですよね。ブランドだからそもそも変化しないほうがいいですし。


結局のところ、作り手が好きな革で製品を作って、気に入っていただいた方に使っていただくということだと思いますが、私としては革の楽しみは経年劣化だと思っているのですが、製品が出来上がるまでにミシンに引っ掛けて傷付いたとか(摩擦熱で線が入ることがよくあるのです・・)、水に濡れたとか、ミシン縫いが失敗したとか(これはどんな革でも同じですが)、作り直しは出来る限り避けたいのです!扱いやすい革の方が楽なのです!楽に作りたいのです!(心の声です)

でも、やっぱり楽よりも、こだわった製品を作っていこうと思います。逸品が出来上がったときの喜びを追求して!

この文面は、ただただ、水シミをつけてやり直しせざるを得なかったウップンから始まり、革への愛情を取り戻して結論となりました。